(みなごろし)の雄叫びをあげ

戦いのを、解き放て。

-William Shakespeare









誰もが世界の歪みに、気付き始めたあの頃。

誰もが贖い切れずに、血を流し泣き叫んだあの頃。



誰もが狂い切れずに死んでいった、あの頃。









2140年・・・

未曾有の大災厄の中

統合されて間も無い世界。

世界統合組織、ΡΦ(エレーフ/連邦)

その人材育成機関として開校した

連邦女子士官予備学校

「ディーナ・シー(Daoine Sidhe)」

第一期生は厳しい選抜を生き残った

総勢256名。

知性・身体能力に秀でた才色兼備、

15歳の少女達。






その中に彼女は居た。

自分の出生に、微かな疑問を抱きながら

まだ、明日への希望に胸を膨らませる

橘 サトミ が。




















「世界の為の贄となれ」

この理念の元に開校された

「ディーナ・シー(Daoine Sidhe)」

代表者はこの混沌とした世界の“救世主”として

突如歴史の表舞台に登場した“聖母”。

ΡΦ・・・E.L.E.R.F.(エレーフ)

創始者5名のファーストネーム。

その頭文字を並べた最初の“E”

エレン・ラファティ。





過酷なカリキュラム。

日々行われる

厳しい選抜。

それでも彼女達は

明日の自分を信じて

それぞれの夢と

向かいあった。

選抜に耐えられず

日々消えていく級友達。

その中で深まる

恋愛にも似た友情。

たどり着くゴールには

輝かしい未来が

待っていると

信じていた。



誰もがそう

信じていた。



学園稼働日、カリキュラム終了後に行われる

“選抜”

生徒の中から毎日ランダムで選出され

非公開の下、地下「選抜室」で

一対一のマンツーマン形式で行われる

“選抜”

完全生残り方式、落ちた者は学園を去る

過酷なプログラム・・・。

“選抜”を生き残った者は、その内容を決して話そうとしない。

誰もが口を固く閉ざす。




だが或る日、サトミは気付く。


「この学園から去っていく生徒の姿を

見た者は、誰も居ない・・・。」







「サトミ・タチバナ。マリカ・アナスタシア。

両名は本日の“選抜”対象者となります。

“ワクチン”投与後、B1Fブリーフィングルームに集合しなさい。」








「サトミ、今だから言える・・・好き。

 だけど体が熱いの・・疼くの・・アナタを殺したがってる!!


「何で!?なんなのこれは!狂ってる・・・

 何もかも狂ってる!!!

「好き、好き、すき、スキ、スき、すキ

 スキ!キ、キ、ス・・あァァァァァーーッ!!


「や・・やめ・・ぐふぁッ!・・あ、や・・やメて・・

 わ・・わタしが・・ワたシじゃ・・な・・クナル・・・

 あ・・あぁぁぁアアアアアアアァァァァーーー!!

バキッ!グフォ!めきょッ!グチュッ!


「ぐはぁッ!!」「があッ!!」


『ぐぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃっーーーッ!!!』








あなたは知りたかったんでしょ?

自分が何者かを。

あなたはね・・・末裔なの。

“ギガントロプス”の直系・・・

あなたは・・・“裔”の最後の一人。


もう引き返せない。

血まみれの道への第一歩へ、ようこそ。


ようこそ、橘サトミ・・・



Nirvana(ニルヴァーナ)へ、ようこそ。








お誕生日おめでとう、里美。










この学園は、世界の為・・・というより

あなたの為だけに用意された

(にえ)。




















神様は居るよ、間違いなく。

無慈悲で残酷な神様がね。