わたしの血が流れる。
流れた分だけ、相手の血を啜る。
そんな毎日。

この一年は、恐らく自分の一生涯と同じではないのか?
最近良く思う。
一生がどれくらいなのか、解からないけど。
いつのまにか慣れている自分が居た。
少なくとも、この体は喜んでいる。
自分の欠片を拾い集めている。
ひとつひとつ拾って、本当の自分になる。
自分がだんだん違うモノに変化している嫌悪感。

何になるの?
わたしは一体何になるの?
それも終わり。
昨日までは生き残れた。
明日は解からない。

「サトミ・タチバナ、エリ・レアリー。これより最終選抜を行います。
ブリーフィングルームでの準備が終わり次第、両名地下聖堂に集合しなさい」

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『さぁ、踊りましょう』
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「ねぇサトミ。最初の頃の気持ち、覚えてる?」
「うん、忘れてないよ。絶対たどり着く」
「なら約束して」
「何を?」
「必ず私を殺すって」
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「エリ・・・・」 「守らないと、私があなたを殺すから」 「どっちもどっちね」 「ふふ・・・」 「なんか似た者同士ね。わたし達って」 「ふたりでひとつ。これで“両翼”かしら」 |
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むかしむかし、はるかむかし。
ある星にたった一人で暮らしている娘がいました。
娘はその星の王様でした。だって一人しか居ないんですから。
或る日娘は「さびしい」という気持ちを覚えてしまいました。
「ひとりぼっちはイヤ」
そこで娘は子供を産もうと決めました。
どうやって?たったひとりなのに?
でも大丈夫。娘は王様だから。なんでも出来るから。
思っただけで子供を宿す事が出来るから。
やがて子供が生まれます。
自分にそっくりの7人の、かわいいかわいい女の子達。
でもどうしましょう。お乳が出ない、どうしましょう?
「わたしをたべなさい」
7人の娘たちは、泣きながらお母さんを食べてしまいました。
やがて娘達は育ち、子を宿しました。
今度は泣かなくてもいいように、おんなのこと、おとこのこ。
子供たちは育ち、そしてまた子供を産み
いつしかこの星から「さびしい」を消してしまいましたとさ。
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でもね、サトミ。
そしてエリ。 いや“萌蘭”。 |
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結局子供達は、母親の呪いから
逃げる事は出来なかったのよ。 |
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何故なら娘達の子供等は、
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今度はこの星を食べてしまったから。
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だからもう一度やり直すの。
この世界に存在する、リミッター。
この星に組み込まれた、ひとつの仕組み。
”ギガントロプス”
太古から何度も何度も繰り返されて来た、残酷なプログラム。
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私達のオーナーは、この星。 |
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ねぇ、サトミ。
あなたがもし王様だったら・・・
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この世界、どう作り変える?
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「ねぇ・・・」
「・・・ん?」
「エリ・・・あのさ・・・」 |
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「・・・うん?何?」 |
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「約束・・・守れ・・・た?」 |
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「ええ・・・大好きよ・・サト・・ミ・・・」 |
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「インモータルセル発現、Ωによるαの捕食を確認」
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「融合が・・・・始まります」
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ああ・・・始まる・・・
終わりの始まり。始まりの終わり。
全員に告げなさい。時が来たと。
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「職員全員に通達。コード13を開始します。
デミフレア・ナパーム(瞬間溶解焼夷弾)セット。」
「各々が自らの“偽装”を解き、地下聖堂に集合しなさい。」
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「汝らに問う。汝らは何ぞ?」
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『我等は汝!汝は我也!』
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「我と等しき汝ら。ならば問う。汝らは何ぞ?」
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『我等は乳母!贄の為の餌!山羊を育む羊飼い! 千の仔を胎まし山羊に、我が血雑じりし乳を与える者! 我が身は全て愛しきの贄の為に、この肉と血を捧げる餌也!』 |
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「全ては誰が為に?」

『唯一の為に!原母の為に!たったひとつのものの為に!
“ The One ”の為に!!』
「我が生はッ!」
『我が死ッ!!』
「我が死はッ!」
『我が生ッ!!』
「宜しい、ならば今こそ解き放て!
我と汝の名はッ!?」

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ニ ル ヴ ァ ー ナ
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『我らは涅槃!! 涅 槃 なり!!』
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さぁ始めましょう。
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終わりの宴を。最初の祭りを。
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では乳母達。
贄の餌共。
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喰らい合え!
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